雨のコジオスコ山

teradaya2016-12-30

豪州大陸は7大陸で最も古く、最も平らで平均標高は200mほどだそうだ。しかし、米国(除くアラスカ)ほどの広さがある大陸であるので、その最高点には行っておくこととしたい。
最高峰コジオスコ(Kosciuszko, 2228m)はスノーウィーマウンテンズと称される地域の中心にあり、コジオスコ国立公園にもなっている。豪州随一のスキーリゾートエリアでもあるが、山容はなだらかで山というよりも丘である。
豪州自体、南極の領有も主張しているとのことであり、マクリントック山等3000mを越える山が国内最高峰とする資料もある。また、登山界の「セブンサミット」としてはオセアニアの最高峰としてインドネシアのカルステンツピラミッドが挙げられたりしているが、どちらにしろ難易度で決めるものでもなし各大陸の一番高いところで良いのではなかろうか。

29日(木)、9時半にシドニーを出発。家の前の信号とハイウェイ入口の信号で停まったあとは、M1, M5, M31とハイウェイを走り、休憩以外は全く停まることなく首都キャンベラ近くまで走ることができる。キャンベラへの行き方は「シドニーのCityから高速に乗って案内板に従って走り最初に停まるところがキャンベラ」という話があったがそのとおりである。休暇シーズンであり、キャンピングカーやトレーラー、ボートなどを牽引して走る車が大変多い。


George Lake 展望台  /風力発電も大規模

とはいえ、速度規制が厳しいので概ね規制速度(最高110km)以内で皆おとなしく走っている(罰金がべらぼうに高いとのこと。知人いわく1000AUD、約8万円等)。M23に分かれて北海道か草千里かといった景色を走ってCoomaの町で一服。
ちょっと街道からそれるとこんな感じ

パッシングする車が2台続いたのでちょっと用心していると、やはりパトカーが潜んでいた。この辺は日本とも共通である。さらに国立公園の中を標高をあげてスレブド(Threbdo)というリゾート村に3:30到着。500km弱。入域料17AUD。


結構高級なリゾード地

リフトは「コジオスコエキスプレス」というクワッドだけが夏は運転


川も美しく、花も豊かな季節

Thredboのアルパインクラブ。シドニー大学中心で作られ、ハードなスキー等しているそうだ

あいにく曇りがちで時々雨も降る。ここは結構大きなスキーリゾートで、たくさんのコースが取れるようである。麓が1400m、リフトトップが2000mなので標高差もある。夏はハイキングやマウンテンバイクのコースになるようで、家族連れがたくさんきていた。時折はでなインコが飛んでいたりするのは独特だが、なんとなく白馬八方のような雰囲気もある。途中35度くらいあった気温もここでは20度と快適。

ネットで予約した「House of Uller」という小さな宿のご夫妻は日本ファンで5回もいったことがあるそう。ニセコ&ルスツ&東京とのこと。
夜半雨脚が強まってきたのがちょっと心配。

30日、朝から雲が厚く、にわか雨(Shower)頻々。とはいえ、夏の2000mなので予定通り登ることとする。雨男としては慣れたもので、雨の山も静かでよいものだということにしておく。
10時にリフト(コジオスコエクスプレス。往復なので一日券35AUD=3000円弱!)に乗り、1930mまで上がる。風が非常に強い。

クワッドリフト / マウンテンバイクが載せられる。バイカー多し。

上下レインウェア、帽子にフード、手袋で武装して、10:15出発。道は石畳、途中からスチールメッシュの植生保護道で、迷いようがない。向かい風と大粒の雨で歩きにくいが、驚くのはかなりのオージーがビニールポンチョ、または雨具なしの短パン等で歩いていること。体力はすごいと思うが、何も準備していないことには唖然としてしまう(スキー場の救助者にオージーが多いのもわかる気がする)。ポンチョのカップルとかばかりなので、気合のある山屋はいないのかと思っていると、髭面で鍋釜しょったバックパッカーの爺さんにもすれ違った。コリンンフレッチャーの遊歩大全みたいであった。

山頂まで300mの標高差だが、なだらかに道は上り下りして進んでいく。花崗岩がゴロゴロし、池塘高山植物が広がっている。バチバチと雨粒がぶつかると長袖シャツを着ていても痛いくらい。ちょうど前線が通過しているのであろう。


池塘がたくさん / 花崗岩がごろごろ

岩が優先でメッシュロード側が削られる(優しいオージー

ひたすら雨の中を歩いて、Rawsons Pass (峠) でシャーロット峠からの道と合流。ここで約5km。あとはぐるりと反時計回りに山頂まで約1km。


夏だが雪渓もある。さすがSnowy Mountains。

途中雪渓を横断するところもあるが、基本的には穏やかなルート。山頂には看板と小さなオブジェがあるだけで好ましい。標高2,228m。

山頂もずっと雨であった

下りは風が背中からになるので、快適である。花々を愛でながらゆっくりと歩き、リフトトップに帰着。結局今日は50人くらいすれ違ったが、おそらく山頂には20人くらいかと思う。ちゃんと山装備だったのは自分含めて10人くらいではなかろうか。皆タフだと思う(が絶対風邪ひくとも思う)。






高山植物がたくさん。恵みの雨であろう。

リフト乗り場のパブがやっているので、ジンジャービア(ノンアル)とパイ&フライでランチとし(19AUD)、リフトでスレドボの街を見ながら下って、車でキャンペラまで200kmを走って今日はここまでとした。

途中Coomaの町をすぎたあたり(ずっとのびのびした景色)/ キャンベラの宿(米国流モーテル)

シドニーも大晦日(NYE: New year eve)の花火大会等のイベントが恒例だが、各国でのテロを受けて警戒を強めている。特に、バスやゴミ収集車等でバリケードを作ってトラック等による突入テロに備えるとのこと。豪州もシリア空爆の一員となっているので、やはり用心は必要だが、国土が大きいし日頃からオープンな社会なので対応は難しいのかもしれない。

(コースタイム)
リフト(コジオスコエクスプレス)トップ 10:15
シャーロット峠からの道との合流(Rawsons峠) 12:20
山頂 12:30-40
Rawsons峠 13:00
リフトトップ 14:00

(登行、歩行距離)
300m、13km

(機材) iPhone 7 (防水で助かる)