木曽駒&千畳敷カール

teradaya2011-05-08

千畳敷カールと木曽駒&宝剣等の山々は、これまでも気にはなりつつもなかなか訪れることがなかったが、今回天候の回復を見込んで連休最終日に3000m近い高さを期待して滑りにでかけた。

夜中の2時に、I江さん宅にお迎え。車で5分の距離である。深夜の高速を快調に抜けて、6時前には菅の台の駐車場へ到着。駒が根ICからものの5分であり白馬等よりも近い感覚。7時15分のバスは臨時がでるほどであり、滑りに来た人も多いが家族連れや釣り人なども交じっている。8時の始発ロープウェイで一気に2650mの千畳敷カールまで上がる。あいにくまっ白な霧と強風の中である。
指導員の方々のチェックを受け、アイゼン・ピッケルで歩き始める。確かにシールでは最後はつらそうな急登であるが、浄土乗越までは標高差300m弱であり一気に行く。霧が切れると一瞬宝剣とカールが見えるが、雪はたっぷりである。数人追い越して一番乗りで乗越にでるが、すごい風である。宝剣山荘の階段下でしばし天候見をすることとするが、たいした風避けにもならずとても寒い。1人休まずに登っていく登山者があり、我々も上を目指すことにする。中岳までは少しの登りであり、ピークから本峰の間のコルに青い屋根の頂上小屋が一瞬見える。黒川カール側にのびる支尾根を少し下って、左に降りて小屋に向かうこととするが、まったくのホワイトアウトである。左、左とイメージしながら歩いたせいか、曲がりすぎてしまう。緩い地形なので迷いやすい。I江さんがGPSを見て修正してくれ、以降はコンパスを手に北北西に進む。本峰の登りに入ればトレースも残っており、先ほどの青年とすれ違ってもうひと登りで、10時20分2960mの木曽駒が岳に到着した。
出発時
浄土乗越に直登
ガスと強風の山頂

もうひとり後続の青年が登ってきて写真を撮ってあげる。風は相変わらず強く、視界もないが、長居をしてもしかたがないので、コンパスで南西を確認し、黒川カールに滑りこむこととする。上部はクラスとした堅い斜面となっている。中岳の支尾根をどこかで横切る形となるので、慎重に南寄りに進路を取りつつ高度を下げるとようやく視界が晴れてくる。中岳支尾根を越えてカール底までは岩で区切られたルンゼ状になっている。下が見渡せないので左に別ルートを探ってみるがそちらも悪そうである。下方に浄土乗越から滑ってきた3人パーティが見える。カールの全体が見渡せ、致命的な危険はなさそうであり、ルンゼ状を滑ることとし少し登り返す。I江さんはあまり狭いところは滑ったことがないと言いつつも、すいすいとクリア。私も続いて滑りおりる。青空も見え始め天候はどんどん回復してきている。池と思われるあたりでしばし休憩である。シールを貼って、稜線に登りかえすが、右手中岳方面はシュプールも多いので、左手の前岳方面に上がることとする。
中岳のルンゼを行く
木曽駒、中岳と黒川カール
稜線に到着
いつか滑りたい各ルンゼ

30分の登り返しで稜線に到着する。木曽駒本峰方面もよく見えるようになったが、風は相変わらず強く、耐風姿勢を強いられることもしばしば。長野県の山岳救助隊の訓練パーティを見送り、稜線を前岳方面に登ってから、再度黒川カールに滑り込むこととする。この斜面はまだノートラックである。雪も緩んでザラメの快適斜面であり、2人とも高速で楽しんだ。晴天の下、再度前岳方面に登りかえし、今度は千畳敷カールを滑ることとする。南面であり雪は柔らかく、宝剣岳をバックにロープウェイ駅に向かって爽快に滑る。カールにはスキーや観光を楽しむ人で賑わっており、先ほどまでの強風の登山が嘘のようなうららかさ。スラフをおこしつつ大回りのターンであっという間に滑り降り、スキーを担いで駅に戻った。
宝剣をバックに爽快な滑降
滑り終えた斜面を振り返る
帰る頃

ロープウェイの時間を確認して、千畳敷ホテルのレストランの窓際に陣取り、宝剣の各ルンゼや極楽平方面のルートを眺めつつ、コーヒー付の豪勢なランチを楽しむ(今回は、バス、ロープウェイの往復と千丈敷ホテルの昼食、山麓の「こぶしの湯」もセットで4500円とのセットを使ったので)。まだまだ、滑りたい斜面、開拓余地が沢山ありそうであり、ぜひまた訪れたいエリアである。
湯を浴びて15時半に帰路についたが、高速の渋滞もほとんどなく、20時前には茅ケ崎についた。

[メンバー]CL寺田、出江
[コースタイム]
0210 茅ヶ崎
0545 菅の台
0715 バス、0800 ロープウェイ
0830 RW駅発 (2630m)
0915 浄土乗越(宝剣、中岳コル 2850m)
   宝剣山荘で風よけ休止
1000 中岳
1020/1040 木曽駒が岳 (2956m)
1120/1130 山頂から黒川カール滑降、駒絹池付近 (2700m)
1200/1225 宝剣―前岳間稜線上 (2900m)
1230/1245 黒川カール北面滑降、カール底 (2750m)
1300/1315 前岳稜線上(2900m)
1330 千畳敷カール滑降、カール底(2600m)
1340 RW駅

[メンバー]I江さん、私
[延べ登高高度差]約800m
[滑降高度差]約700m
[装備]アドレナリン、ディアミール、バンディットB2
[GPS]