大満足のち大反省のNZスキー

teradaya2018-08-29


シドニーにやってきたスキー達人Nさんと半年前から約束していたNZ南島クイーンズタウンに滑りにいく。
昨年はヘリスキー(http://d.hatena.ne.jp/teradaya/20170814#p1)のみでゲレンデはまったく行かなかったが、やはり圧雪バーンや不整地を滑って練習しなくてはということで、今回は街の周辺のゲレンデを巡ってみようという企画。ご一緒予定の夫妻が来れなくなってしまったり、スキー狂でもあったボルダリング仲間N君の帰国等があり、今回は2人で滑りまくりの合宿となった。

8/24(金)
5:55発に自宅を発ち、6:55にはNZ航空にチェックイン。3時間半のフライトでクイーンズタウンへ。時差2時間で
14:10に現地到着。1年ぶりでちょっと懐かしい。空港前のレンタカーで予約していたレガシーAWDをピックアップ。日本からの輸入中古であろうか、すでに走行距離11万キロ超えであったが、5日間元気に走ってくれた。念のためチェーンも借りたものの使う機会はなかった(が後述の通りアクセスは未舗装の山道であり四駆は大変助かった)。
街中までは10分ほどで、ワカティプ湖東湖畔のアパートLakefront Apartment (実は昨年のモーテルと同じ経営でフロントも共通)にチェックイン。湖がきれいに見える。
一服してから、滞在中の朝食やおやつ、ビールとワインを買い出しにいく。フロント嬢が教えてくれたPack& Saveという店(車で20分ほどの郊外)は品揃えも良くたしかに価格も安いようだ。
夕刻、ダウンタウンで昨年もお世話になったインフォメーションセンター等で情報収集し、Nさんのレンタルスキー等の調査をしてから、軽めに中華で食事をする(日本人と思われなかったようで中国語で話しかけられたので、久々に片言で話してみたところ、一応通じた模様)。




宿からみる夕暮れのワカティプ湖 / メゾネット式のアパート。質素だがよい立地で快適

8/25(土)トレブルコーン(Treble Cone)
まずは、最も遠いが標高差もあるトレブルコーン(Treble Cone)スキー場へ。クイーンズタウン市内から北東方面約100km。国道6号から別れてヘアピンの急登を登り、美しいワナカ湖(Lake Wanaka)へ。さらに高原の道を進み最後は数kmはダートを行き、約1時間半ほどである。

結構急な山道を登って

一旦ワナカ湖に下る

高原を抜け / 最後はダートを登って到着

格好良い係員がパーキングをびしばし裁く / 結構混んでいるベースハウス

このエリアの4スキー場で最も空いているとのことであったが、それなりにリフト待ちもある。チケットを買う際は氏名、生年月日を登録し写真も撮ってカードをもらう(他のスキー場も皆同じであった)。これをポケットにいれておけゲートが開く仕組み(5回に1回くらいはなぜか開かずやり直すが)。
カードに名前も印字される
トレブルコーンはボトムが1260m、トップは1960mなので雪質はよいが、あまり最近雪が降っていないようで、全山滑れるもののオフピステパウダーはほぼなく、圧雪コース&モーグル等中心となる。とはいえなにせスキーヤー密度が低いのでのびのび滑ることができる。スキー:ボード比は8:2くらいであろうか(以降他エリアもほぼ同様であった)。ほぼ全員ヘルメット装着である。

トレブルコーン/ 向かって左の黒ダイヤはゲレンデ外に滑って降りる(シャトルバスがピックアップするらしい)

ここのリフト代はNZD134と最も高いが、リフトは6人高速とクワッドの2基のみ。しかし、どちらも長い高速デタッチャブルで素早く高度をかせげ、スロープも全山滑り放題かつグルーミングも丁寧にされているのでリーズナブルであろう。
2人とも前回滑ってから1年以上ブランクがあったが、快適なのでほとんど休まずに滑りまくった。朝のうちはまだ誰も滑っていないグルーミングバーンも多く、久々に大回り高速ターン中心で一気に700mを滑り降りることもできる。達人Nさん(準指導員)が技術指導してくれるので、時々練習も入れてみる。最近ゲレンデで考えながらすべることがほとんどなかったので大変よい機会であった。ちゃんと種目練習をすれば1級はいけるよとおだててもらい、雑なバックカントリースキーヤーもちょっと喜ぶが、考えてみればもう10数年ツアー用の道具しか使っておらず、一度もバッジテストは受けていないのでそちらの世界に行くことはないだろうな、と思う。一方で、軽々ときれいなカービングターンや片足ターンなどこなす達人をみていると久々にもっと上手くなりたいという気持ちが復活。

ここはオフピステに出るコースもあり、ゲートには「ビーコン、スコップ、ゾンデを装備して複数で出るように」との指示があったりする。一方リフトトップからトレブルコーン峰頂上(2,080m)へはゲートが開いていて安全に登れるようなので登ってみる。標高差120mほどを25分でゆっくり登り、Mt.Aspiring等の3000m峰群を望む山頂で一息。反対側にもシュプールがあり、シールで登り返しているようだ。NZはアルペンのツアスキーが盛んなようで、ゲレンデ内にもシール登行コースがあり、ツアービンディング装着者も結構みかけた(旧世代の名品ジルブレッタ400などの人までいた)。
山頂からの滑降を楽しみ、そのあとも夕方まで滑った。

ゲートはオープン / 結構急なトレールを板を担いで登る

山頂からはMt Aspiring等雪の峰々が望まれる

山頂から広い斜面を滑降

夕食は地元料理のJervoice Stake Houseの暖炉の前で暖かく夕食。宿でまたビールを飲んでからぐっすり眠る。

8/26(日)カードローナ(Cardrona)
日曜であるが、一番人気のカードローナ(Cardrona)に出かけてみる。昨日の行き帰りの途中にあり、市内からは約70km、1時間弱の距離。ただし、街道から別れて10kmほどダートのワインディング(おまけにガードレールなし)で上がるので大変おっかない。日本ではまずありえないところである。

リフト待ちが思ったほど混雑はなくやはり広々と楽しめるが、ここでは大規模なジャンブ台等があり、四つ輪マーク自動車会社主催のスキー&スノボ大会をやっていたり、パラリンピックの日本選手と思われる人たちがトレーニングに来ていた(季節が逆の南半球ならではか)。

Trail Map。オレンジハッチ部がフリースタイルエリア

スキーセンターは中腹にあり、そこから上と下にスキースロープが広がっている。下のエリア(Little Meg)にも駐車場はあるがチケットは売っていないので再訪者のみが利用できる。リフトはクワッドが4基。
スキーセンター前のメインリフトは「Chondora」というゴンドラとクワッドが一つのラインで1:5の割合でやってくる非常にめずらしいものであった。これでトップに上がってからロングコースが滑れるのだが、中間部にある高速クワッドは非常に混雑している。一気にLittle Megまで標高差700mをノンストップで高速大回りで滑り、しばらくは空いているデタッチャブルでないクワッドで中間部に登り返って滑り返す。オフピステも滑れるので午前中はいろいろコースを変えて何本も楽しんだ。

ゴンドラとクワッド混合の「Chondora」 / 高速クワッドで広大な斜面へ

2日目も良い天気

屋外でランチ / スキーは脱ぎっぱなしで置いておく人も多い

ボトムのCaptains's Cafeで軽食を調達して屋外テーブル席で食べてから、その後右端の中上級のみエリアに移動し、このエリアを散々滑走。最後にスキーセンターのChondoraに戻って滑るが、こちらはレッスン等の緩斜面が多い。スキーエアリアル競技の命知らずのジャンプを見物したりして、おっかないダートを慎重に下り帰路についた。
少しくたびれたので、スーパーで買い出しをしてから宿に戻り、たらふくビールを飲みつつチキン丸一羽を平らげた

8/27(月)
3日目は、私が一番楽しみにしていたオフピステ中心のリマーカブル(Remarkable)スキー場へ。6人乗りx 1基、クワッド4基。もうひとつのコロネットピーク(Coronet Peak 、市内から北方面に30分)と共通パスなので2日券を購入。

またもダート道 / ワカティプ湖とクイーンズタウンの街を眼下に

Trail Map(右下ルートは場外に滑り降りるオフピステ(シャトルバスピックアップらしい)。稜線からワカティプ湖側に滑るルートもある模様)

ほぼ全山が滑れ、特に右エリアはオフピステを含むフリー滑降が中心である。ここもリフトは高速でないのだが、急傾斜斜面を縦横に滑れる大変ワイルドな中上級コースのみのエリア。空いているので休みなしで繰り返し滑る。日本ではまずロープ規制が入る急斜面が滑り放題(岩も出放題だが)であり、気に入って何本も滑る。途中、リフト上から対岸斜面を見ていると1人が50mほど滑落するのを目撃。しばらく立ち上がったが気になるので次の滑降で行ってみるが幸いすでに立ち去った後であった。


ハイクアップして稜線まで上がる

この移動用ルートで進み / どこからでもこの斜面に飛び込める

午後は、左エリアに移動。ここはフリースタイル系の人工3段のジャンプやスライドバー等がある。普段この方面には手を出さないのだが、普通のクワッド1基のみでありながら空いているのでトライ。数回リフトで登り返してはやっていると少しはうまくなってくる。
しかし、ここで調子に乗りすぎたのか、スライドバー降り口で転倒。腰や肩&首を痛めてしまい、また何らかのせいで若干記憶がうまくつながらず、Nさんには大変心配をかけてしまった。スキー場の診療所にいったところ念のため街の病院(Lakes District Hospital)に行くようにとのこと。さらにCTを撮るように施設のある病院まで相乗り救急車で無料で送迎していただいた(NZに感謝)。幸い特段の所見はないので一週間くらい様子をみながら徐々に普通の生活に戻るようにとのことであった。

8/28(火)
Nさんには4つ目で一番近いコロネットピークに滑りにいってもらい、自分残念ながら休憩とする(当たり前か)。
チェックアウトして宿に荷物を預けてから、目の前のワカティプ湖畔のベンチに座って鳥たちを見てのんびりと過ごす。ゆっくりと小さな町を散歩して体調を確認。打撲した左腰や肩、首が少し痛むが特に大したことはない。ちょっと頭痛があるので慎重に行動。
昼前に戻ってきたNさんと空港に向かい、午後の飛行機でシドニー帰着。久々にとことん滑って楽しかったが、ほろ苦くもあったスキー行であった。
近く、一時帰国して念のためかかりつけ病院できちんと見てもらう予定。





湖畔の鳥たち / クイーンズタウンの目抜き通り

[用具]
Ski : ロシ Bandit B2(老兵)
Binding: ディアミール(同)
Boots: ガルモント Adrenalin(今回がほぼ限界くらいの古参)

[撮影機材]
OM-D E-M5 + M.Zuiko 14-150mm
iPhone 7