カンマンボロンと瑞牆山(と悲劇)

teradaya2014-11-14


休暇を取って瑞牆山にハイキングに行くこととした。天気は慎重に選んだ冬型の日なので、絶好の好天。
早朝相模線とあずさ1号で韮山へ。山梨峡北交通というコミュニティバス等運行している会社のちいさなバスで瑞牆山荘まで1時間強。乗客5人だけ。里は柿の木が実を実らせて美しい景色。富士や甲斐駒、地蔵岳オベリスクなど青空に映える。八ケ岳の頭は雲の中。
1000mあたりから増富温泉あたりは紅葉まっ盛りで豪華絢爛。山荘のあたり(標高約1500m)はもう冬枯れの気配である。
甲斐駒&仙丈もうっすら雪化粧

瑞牆山へは一般的には瑞牆山荘から富士見小屋経由での往復であるが、国内最大規模の花崗岩の大クライミングエリアとなったカンマンボロンを眺めてから登ることとした。ロック&スノー48号で紹介され、クライミングエリアとして「カンマンボロン」と呼ばれているが、一方バリエーションハイキングの本等での「洞の岩」を指すようで、その名の由来となった奇岩の文様“カンマンボロン”が岩の一角にある。これも見つけてから登ることとする。
10:10に山荘を出て、北西に車道をたどり、1km先の分岐を右に折れて北上する。天鳥川の橋を渡ったら川沿いの遊歩道に入って洞の岩、大ヤスリ岩等の尾根を登る計画。川のスケールを把握していなかったので、一旦橋を渡ってさらにみずがき山自然公園あたりまで行きすぎてしまったりしたが、10:50に遊歩道より登り始める。少し前にボルダらーが3人パッドを背負って入山していった。
瑞牆山荘先の白樺
ヤドリギがたくさん
林道から見る瑞牆

少し踏み跡を見失って適当に歩いたりしたがじきに山道となる。この頃、サブザックのサイドジッパーが開いていたようで水筒がごろりと落ちてしまいあわてて拾う(この時すでに悲劇は起こっていたのかも)。途中、左気味に天鳥川の支流に沿って登る。洞の岩の大ハングがよく見える。どうやらあのあたりのはずである。
ススキの光る道
川の脇のボルダー(垂直のカチ課題)

このあたりにはいくつものボルダーが点在していて、先行していたボルダらー達もそれぞれの課題にトライしている。雪が来る前の指の掛かりがよい今の時期であるが、寒いだろうなと思う。皆静かに岩と対話し挑んでいた。適当に踏み跡をたどってカンマンボロンの岩(洞の岩のあたり)に登りつく。バリエーションハイキングの本の説明も読んでみるが目印の木等よくわからないので、勘を頼りに梵字のような“カンマンボロン”のありかを探す。大ハングの真下にあるデコボコがどうやらそれらしい。踏み跡を探り確認したうえで、身体がぎりぎり入る隙間から正面に出て間近に見ることとする。
この狭い隙間から入ると正面に出る
不思議な文様
大ハングとカンマンボロン

その後、大面岩を巻き、稜線を南東方向に進むが、結構よい踏み跡(というよりしっかりと道)になっており、安心して登っていく。岩峰がいくつもあり小川山と同様の花崗岩の地。大ヤスリ岩のふもとをとおり、一息で富士見平からの道に合流。ここからはハイウェイであり、何人かが歩いている。ほどなく山頂に到着し、富士、南アの鳳凰3山、甲斐駒・千丈等、そして間近に金峰山を見渡す。快晴である。
大岩“たわみ”より遠く富士
ヨセミテのような大ヤスリ岩
山頂より眼下に大ヤスリ岩
金峰山と五畳岩
山頂で今回のお供達(一澤サブザックと30年選手のグランテトラ)

15分ほどで下山開始とし、少しペースをあげて下りることにする。ひと便早いバスにのれれば途中増富温泉に立ち寄る余裕があるかと思ったのだが....。瑞牆山荘までの標高差700mを1時間強で下りついた。山荘でコーヒーでも飲もうと財布を入れた小物袋を探すがない!(涙)。おそらく登り始めの水筒の落下時におちたのではと思うが後の祭り。
バス会社&JRに事情を話して、対処して無事帰宅(後日要精算)。皆様に感謝。

(後日談)2016年6月、どなたかが拾ってくれ、無事手元に戻ってきた(→ http://d.hatena.ne.jp/teradaya/20160624

富士見小屋から先のうららかな下り道

(コースタイム)
 山荘 10:10
 分岐 10:25 (この後行きすぎて引き返すロスが15分)
 橋  10:55
 カンマンボロン 11:45〜12:00
 山頂 13:15〜13:30
 山荘 14:40
 *15:25のバス、JRの各駅停車等で21時40分帰宅。

(地図)

リコーCX-5