乗鞍位ヶ原ベースのパウダー三昧

teradaya2008-12-29


12月26日(金)
御用納めを終えて急ぎ帰宅し、町田のKさん宅経由で西国分寺駅にて中央線沿いのマギー、Yさん、K本君の3名をピップアップ。23時15分星空の下出発、一路中央高速で乗鞍高原を目指す。スキー場につくころには冬型の天気で雪が降りしきり寒い。3時30分第3駐車場脇「やまぼうし」レストランの暖房の効いた地下仮眠施設で寝袋で休む(ただしトイレは50mはなれた駐車場内)。

12月27日(土)
8時30分のリフトにあわせてスタート。3本乗り継いで国設第3リフトまで登るが、未圧雪の新雪が広がっており、さっそく1本頂くこととする。30度強の斜面を楽しく蹴散らし再びリフトトップへ。が、ふと足元を見るとビンディング(ディアミール)の板側ヒールピースが折れて無くなっている。この後3日間、片足ヒールフリーとなってしまった。
スキー場から切り開きをシールで登る。先行者は単独行のお一人で、結構なラッセルが続く。マギー、K本君と先行し、遅れがちのYさんをK下さんがフォロー。降りしきる雪の中位ヶ原台地にあがる手前の標識から右上の林道に這い上がり、あとは林道をラッセルで位ヶ原山荘に12:45到着。ここは位ヶ原山荘は管理人のR辻さんの尽力でこの時期に2350mでの営業はとても貴重である。今回も初級者2人を連れての山行であったので、非常に助かった。
さて、小屋の中で昼食をとって休んでいても雪は降り止まない。冷泉小屋方向を探ってみようと思ったが樹影が濃いので、富士見岳方面の小ツインピーク(約2600m)に行ってみることとした。視界が効かない中シールラッセルを続け高度を稼ぐが、森林限界下の行動であり方向を間違わなければ危険の少ないコースである。1本ちょっとの登りで全員無事ピークに到達し、滑降に移る。私は急ごしらえの針金細工で右ヒールを固定しスタート。K下さんを先頭にやや重めの新雪を楽しむ。スキー初級者のA藤さんとまだ始めたばかりのK本君はさすがに苦労しているが、マギーは少しブランクあったのにさすがの滑りである。さて、私はここで大トラブル。針金加工のヒールは一発で切れて再びヒールフリーに。また、左足ビンディングもターンの度開放してしまう。よく見るとヒールピース(靴側)のはめあわせが取れてしまっている。やむなく手袋を取ってきっちりとかみ合わせてどうにか復旧して皆を追いかける。だましだましの滑りとなってしまった。
小屋に戻るころには雪がおさまり、急速に晴れ渡り、八ヶ岳や中央、南アルプスが見わたせるようになった。妙高や遠く浅間も見渡せる。夕焼けに染まる峰々を楽しんで暖かなこたつで美味しい食事をいただく。自家製の梅酒に鹿肉の鍋等心づくしの献立である。持ち上げたふんだんな酒を飲んだら布団(!)で就寝。希望者には湯たんぽまでという天国である。いつものとおりエロ大王に変身したK代表の大いびきはAさんに優しく退治されていた。
風雪に耐えて
吹雪も楽しい女子部
華麗にドロップイン
激!K代表
マギー!
夕焼けとマギー

12月28日(日)
好天を期待して起床したが、昨日以上の大雪である。朝食はこたつの上でA藤さん作の具沢山うどんをいただく。マギーが大きいコッフェルが大活躍。
雪の中シールをつけてスタート。昨日の林道を位ヶ原に戻るが、トレースはまったく無し。林道の切れるところから位ヶ原台地に登りつくが、風も強く台地はウインドクラストも混じりよいコンディションではない。何より視界がまったく利かないのでコンパスとGPS頼りの行動となる。雷鳥を追いかけながら登ったが2600mあたりで行動を打ち切り下降とする。往路を戻ってもよい斜面はないので、一旦昨日の切り通し方面の深雪斜面を滑り降りることとする。このあたり、GPSがあるとやはり安心である。林道ガードレールをまたぐとすぐに程よい斜度のパウダーで、K下さんが先行。続いてK本、A藤さんも苦労しながらもついていく。K本君は若いだけあって転倒を恐れない(?)果敢な滑りで何度も雪だるまになっている。きっとすぐに上達するよ。マギーはきれいにシュプールを描きつつ、いつも2人をそっとフォローしてくれている。私も負けじとショートターンでしんがりを努める。ひと時の楽しい滑降後、昨日の分岐点の標識を見つけ、小屋に登り返すこととする。針金細工はここでやはり壊れてしまった。
登りは再びラッセルであるが、途中K下さんのシール片方がはがれてしまい、応急処置をして林道に登りつく。そこからは朝のトレースがあるはずであったが、すでにほとんど消えており、ラッセルしながら小屋に戻りついた。
前日同様に小屋で昼食をとってから、再び2600mピークに上がり、深雪を滑降した。今日は私もパウダーを堪能(かかと固定はスキー用をベルクロストラップを使ってみたが、降りきるをやはりエッジで切れてしまった)。山頂付近では同宿の信州大学雷鳥研究の中村教授と2人の研究者が精力的に活動されていた。
 小屋に戻っても今日は雪続き。ビーコン訓練と雪柱による弱層テスト練習をしてから、再び暖かいコタツで酒盛り。
初の山スキーKくん
こたつで小屋番R辻さんと
やさしく退治されるエロ大王

12月29日(月)
 朝から雲のない快晴である。初めて青い空に乗鞍の全貌が見渡せる。魔利支天峰下のボウル状の斜面も真っ白である。
小屋に来ていたカメラマンのYさんが写真を撮ってくれる中、小屋番のM辻さんにお礼を言って出発。K本くんも雪景色に感激している様子。今日は夏道沿いに位ヶ原に上がるが、途中疎林のよい斜面がいたるところにある。特に台地に這い上がる直前の斜面は非常にそそられる。台地に上がりさらに上を目指すも、無木立地域はウインドクラストも多く上の方は結構カリカリである。一休みの後、魔利支天峰方面の大きなボウルをためしてみることとする。尾根上を登行し雪質がよいあたりを狙ってドロップポイントを決める。初級者2人もいるのであまり無理はすまい。雪崩に気をつけて一人ひとり滑り込む。華麗なK下さんとマギーのツインシュプールを追ってK本君もトライ。あえなく深雪に埋没するが楽しそうである。A藤さんもゆっくりだが無転倒で滑り降りたのを確認して、私も気合のひと滑り。至福のひとときである。
出発前に1枚
快晴の朝。はるかに八ツ岳
果敢にボウルにシュプール(倒れているのは誰?)
さて、しばし時間があるので、台地下の狙っていた斜面を滑ることとする。重荷は置いておき、軽快にパウダーセッションを楽しむ。一足先にすっ飛んで言ったYカメラマンが下で構える中、それぞれが思い切り楽しむ。登り返しトレースはハイウェイ状となり、各自何本か楽しんで台地に戻った。
(乗鞍ホームページに写真でてます。29日の①と② ⇒ http://www.norikura.org/sokuhou/main-bk200812.htm
パウダーセッションAさん
パウダーセッションKくん
パウダーセッションマギー
乗鞍本峰をバックに
位ヶ原の雪原を行く
来年は魔利支天を滑ろう!
そこからは台地をもう一段登り、大きな雪原を横切って切り通しスキールートが登りつくところまでいくと後は滑るのみである。ノートラックのツアールートを滑ることとする。下に行けば徐々に雪質は重くなるが、延々と自分たちのシュプールを刻んで滑り降りるのは楽しい。途中一箇所アイスバーンになっている箇所の通過にやや難儀するが、あっという間にスキー場リフトトップに着いた。
多くのスキーヤーでパウダーなど見る影もなくなったコブコブ斜面を降り、あとはゲレンデを流してパーキングに帰着。
「くつろぎの湯」で汗を流し、水車引きの蕎麦を食べて、渋滞の無い年末の上り高速を飛ばして帰宅した。

かつて定番であった乗鞍位ヶ原は、山荘のおかげで年末のNew定番コースとなりそうである。中上級者にとってのよい斜面もいたるところにあるし、新人を連れて悪天候でも滑れるエリアが見つかったのは大きい。来年以降もまた機会を見つけて行きたいと思う。

GPS データ

行動記録
26日 21:15茅ケ崎、22:15町田、23:00西国分寺

27日 03:20 乗鞍高原温泉スキー場やまぼうし仮眠場
ゲレンデトップ(国設第3)発 9:50
位ヶ原 P2465手前 11:30/11:40
位ヶ原山荘 12:45/14:15
P2600m 15:35/15:45
山荘 16:25

28日
山荘 8:35
林道上位ヶ原端 9:45/10:05
切り通し分岐 10:50/10:45
林道 11:20
山荘 11:50/13:35
P2600m 14:30
山荘 15:05

29日
山荘 8:35
夏道位ヶ原手前台地 9:40
登ってボウル滑降、台地下パウダー2〜3本 11:30
位ヶ原横断後降り口 12:05
ゲレンデトップ 13:00
パーキング着 14:00