仙丈岳 藪沢カール

旧長谷村の林道バスが北沢峠手前の歌宿まで運行開始するのが4月25日。休日のみ運行される6時の始発バスを利用してワンディで仙丈岳を滑った。

自宅を12時に出て、諏訪ICから杖突峠を越えて4時には戸台の仙流荘の駐車場へ到着。峠は鹿が出たほど山深いが、距離は自宅から220キロと近い。
6時の一番バスで運転手さんが中アの展望や、山モモなど解説してくれるのを聞きながら、6時45分に歌宿。乗客4人のみ。舗装された林道を歩いて大平小屋7時45分。途中崩落1箇所、雪崩が覆っているところが1箇所。小屋前で兼用靴に履き替えるなど身支度し、北沢峠8時20分通過後、一般ルートのトレースを使わせてもらい山頂に12時到着。誰もいないピークで展望を味わう。

北岳が美しい。小仙丈岳にて。

滑降意欲の沸く小仙丈カール

今回目指す藪沢カール

山頂にて。コンパクトな今回の道具たち。

10mほど馬の背側に下った肩で準備を整え、12時30分、藪沢カールに滑りこむ。ショートスキーに片手ピッケル。最初はウインドクラストで硬い35度ほどの急斜面だがすぐに緩み、典型的氷河地形の中をカール底の仙丈避難小屋に到着。傾斜もゆるんで快適なハーフパイプ状のたおやかな斜面を延々と堪能。常に甲斐駒を正面に見て滑るのは楽しい。浅い沢でデブリもすでに解けている感じで危険は感じないが、途中カモシカが死んでいるのを発見。熊が餌付いている気配であり、急いで立ち去る。

典型的なカール地形に一人だけのシュプール

常に甲斐駒を見ながらの快適滑走

さて、問題は藪沢大滝の通過である。2200m辺りで沢が急に狭まりV字状のゴルジュとなる。速度を落として慎重に行くと、ストンと雪面が消え鋸岳が見えている。大滝の落ち口である。埋まっているかもなどと甘い考えでいたことを反省し、右岸の大高巻きを敢行することにする。つぼ足で腰まで埋まったりしながら木登りを交え標高80mほど登って樹林帯に入りようやく一息。慎重に読図をして尾根の反対側の支流に降り立つ。さすがに汚れた斜面となるも、結局林道まで標高差1100mきっちり滑ることができた。林道には14時ちょうどに到着。

急に迫る大滝の落ち口

ふたたび板を担ぎ、途中馬の背尾根の偵察などしつつ、歌宿に15時到着。臨時便で15時15分があるとのことで効率よく仙流荘に帰着。桜そばと凍りもちを食べ、露天風呂に浸かって帰路についた。渋滞なく21時過ぎに帰着。

林道バス。旧長谷村の人達により親切で温かい運行。

桜そばと凍りもち

かつて、2003年に計画を思いついたコースにようやく行けたことに満足。ノーマルスキーで行くならば丹渓尾根(馬の背)がシール登りに向いていそうであり、上部で自然に藪沢カール避難小屋(仙丈小屋)に辿りつける。ここに一泊して小仙丈カール、大仙丈カールも滑れれば極楽かも。なお、大平山荘からの藪沢登山道はこの時期は閉鎖とのことである。


[行動記録]
歌宿(1670m)  6:45
大平山荘 (1960m) 7:45/8:05
北沢峠 (2030m) 8:15
仙丈岳(2855m) 10:50
仙丈岳(3033m)  12:00/12:20
仙丈避難小屋 12:40
大滝落口 (2150m) 13:05
林道   (1900m) 14:00/14:15
歌宿       15:00

[登高距離] 1360m
[滑降距離] 1130m
[メンバー] 単独
[装備]ブルーモリススキーボード90cm、ガルモントアドレナリン

GPSデータ