斜里岳、羅臼岳

斜里岳遠望


日時:2006年8月1日(火)〜2日(水)
期限切れとなるマイルを使ってこの夏唯一の自分だけの時間。トレーニングも兼ねた遠足。
(8月1日)
07:10の一番機に登場。一番前の窓側1Aの席。1ばかりでちょっと嬉しい。雌阿寒岳をかすめ、雄阿寒岳の真上を通過。山頂が触れるようである。女満別空港に9時到着。
予約しておいたレンタカーで斜里岳へ向かう。目指すはマイナーといわれる三井ルートである。快晴の空の下、山は遠くからもすぐに発見できた。
山麓は広く、登山口への林道はナビにも表示がないが、そこはバイク乗りの勘でどんどん進む。鹿よけゲートをくぐり、三井口に11時前に到着。1台車があり、ちょうど下山してきたという地元の方がいたので情報収集。誰にも会わなかったそうだ。清岳道からはたくさん登っているそうだが。速攻で身支度して11:05出発。快晴である。樹林帯を抜けるまではひぐま生息地域であり、100円ショップで買った鈴を鳴らしながらいく。ケチらずにもっと大きいのを買えばよかったが仕方がない。道はそれでも比較的踏まれていた迷いはしない。うぐいすなど鳴いていて北の風情ではないが、上手なので許してやることにする。沢から離れて尾根に上がるとあとは一直線に登る潔いルートである。巻きながら登るところはほとんどなく、急傾斜でもワイヤーを引いたりして直線的に続いている。振り返るとオホーツク海とパッチワーク的畑が見える。岩場が出てくるがここも蛇行はほとんどなく一本道で登る。しかし暑い。徐々に足が鈍り、100数えては少し休む。ピークが見えて登り着くと、何のだましもなくそれが山頂であった。実にすがすがしいルートである。13:05到着。山頂には誰もおらず絶景を独り占めにする。反対側を見下ろすとコルにはたくさん登山者のカラフルなザックが見える。うららかな山頂にはキアゲハのつがいが舞っている。人間の100分の一くらいの背丈のくせに大したものだ。おまけに交尾などしていてまったく人類にはまねのできない元気さである。山頂13:20発で往路を下る。花の写真を取りながらも鈴は振って鳴らしておく(地元の人は、休憩の際音がなくなるのが危ないと言っていた)。無事14:40に下山。結局だれにも会わなかった。
三井ルート 山頂からオホーツク海
車で、知床方面に向かい、岩尾別温泉の木下小屋に入る。温泉付素泊り(1500円)。外のテーブルで弁当を食べていると、帯広の5人組(久保田リーダー以下男女5名)からジンギスカンを食べろとのありがたいお誘いがありご馳走になる。私は自分で言うのもなんだが赤ちゃんと年配の女性にはモテる。結局焼酎やらなにやら散々ご馳走になる。
(8月2日)
早朝3時くらいから館内でごそごそと支度が始まる。自分も5時前に起きて蒸しパンをかじり、05:10に出発。今日は涼しく快適である。鈴を振りながら樹林帯を登る。数パーティを追い越して、蟻の巣が多く熊が多発するというエリアを急いで通過。今日も山頂までは休憩無しと決めているので、見通しのきかない道をひたすら登る。ジンギスカンの5人組パーティにも挨拶してどんどん行く。平日でもたくさんの人が登っている。極楽平を越えると樹林は低潅木帯になり、やがて大沢に出る。100m程の雪渓が残っており、汚れた雪渓上をキックステップで登る。3パーティ程羅臼平で幕営した人が下山してくるのとすれ違い07:20羅臼平に到着。国後島が見える。このあたりにはチングルマミヤマキンバイ(キンロバイ?)の群落があって美しい。夏山に登らなくなって久しかったので、こうした景色を見るのも久しぶりである。
ここからは残り300mであるが、風が強くなり山頂は太平洋から湧き上がる笠雲の中に見え隠れしている。もう上には誰もいないかと思ったら、中腹に1名登っていく人が見える。後を追って岩の積み重なる羅臼岳山腹をジグザグと登る。突風の吹く頂稜に出るとわずかで山頂であった。07:50到着。さすがにTシャツでは凍えるのでアノラックを着込む。先行者は岩手の人で、1週間かけて北海道を旅しているとのこと。写真を取り合いながら笠雲が時折吹き飛ぶのを待って、国後島方面を見渡す。一番右手に噴煙を上げているように見えるのが爺爺(チャチャ)岳であろうか。
国後島を望む 山頂は寒かった。
   
15分ほど滞在した後、羅臼平に戻って一休みとする。同行者は山スキー愛好者とのことで、しばし東北の山の話をしながらくつろぐ。08:55ようやく下山開始。どんどん登ってくる人がいるので、ゆっくり待ちながらの下山となる。団体や学生、ボーイスカウト等100人以上は登っている。花の写真を撮りながら、鈴を振り振り10:35に下山した。
 
 山麓より知床連山
飛行機は夕方なので、将来の家族旅行の予習で知床峠や「知床自然センター」などに寄り道をする。「自然センター」から海岸の「フレペの滝」まで遊歩道があるのでぷらぷらと歩いた。途中エゾシカがむしゃむしゃと草を食べていたりする。前方の展望台手前でファミリーが記念撮影をしているのを見ながらふと左手に視線を移すと道脇の藪に熊の正面顔が見えた。そのまま視線を保ちながらそろりと5〜6m進み、前方の人たちに「そこに熊が」と指差したとたん、熊はどどっと道を横切り反対側の熊笹に入りすごい勢いで走って逃げていった。居合わせた一同、呆然と見送った後、あわてて写真を撮ろうとするももう手遅れ。大型犬くらいだったので小熊であろう。熊ははるか向こうの「フレペの滝」の落ち口に再び現れ、展望台からよく見えた。林野庁事務所に一応報告し、寄り道しながら帰路に着く。斜里町でナビの画面に偶然「北のアルプ美術館」とあったのでいってみる。昭和58年に終刊と「アルプ」のファンだった地元の写真家山崎氏が私財を投じて作ったという小さな美術館には辻まことの画文や串田孫一の原稿等の素敵な収集品があり、山を始めた頃の気持ちを少し思い出した。館長夫人にコーヒーを頂いた後、小雨の降り出した中空港へと戻った。
北のアルプ美術館HPは、http://www.alp-museum.org/
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記録:
[メンバー]寺田(単独)
[行動Time]
8月1日(火)
三井口(450m) 11:05
山頂(1547m)  13:05/13:20
三井口 14:40
[登行高度]約1100m 
8月2日(水)
木下小屋(240m) 05:10
羅臼平(1350m) 07:20
山頂(1660m)  07:50/08:05
羅臼平 08:30/08:55
木下小屋 10:35
[登行高度]約1420m