吹雪の蔵王山越え

3月12日(日)蔵王へ。

前日11日の夕刻、それぞれ浜松町から山形交通の「蔵王号」で出発。なんと
乗客は5人(運転手は2人)でゆったりと。ロープウェイ下の暖かい待合
室でシールを貼って準備し、08:20の始発で山頂へ。ワカンをはいた冬山ハイカーが
20人ほどガイドに連れられている。
08:50に視界の無い吹雪の中を出発。ここから地蔵岳ピークを経て熊野岳までは30
mおきにエビのしっぽの密着したポールがたっているので問題なく進む。10:00に熊
野岳の避難小屋につき、一服。コンクリート製の頑丈なもので、中にはストーブもあ
る。休んでいると地元山スキーヤー6名がやってくるが、山形側に戻るとのこと。

10:30に出発。わかりにくい平らな地形なのでコンパスで慎重に方向を定めて滑り始
める(1824m)。GPSは低温のためか電源が落ちてしまい不調である。すさまじい氷
化した斜面をだましだまし滑る。徐々に視界が回復し宮城側が遠望でき、「自然園」
のたおやかな斜面を駆け抜けツアーらしい爽快感を少し味わう。若干登り返して名号
峰(1490m)に11:45到着。

南東に少し向きを変えて再出発。1400mのコルまでちょうどよい斜面にみえたが、あ
いにくモナカの悪雪となり、苦労する。コルからさらに東に進むが傾斜がなくなる。

非常にあいまいな地形と重い雪に苦労しつつ、しばしばコンパスで方向を確認して滑
るが、やはり迷ってしまう。GPSにトランシーバの電池を移して手で暖めながら緯度・経度を確認。やは
り二つほど尾根をはずしている。13:30、再度シールをつけて30分ほど登り返す。

14:00にようやく正規の尾根に復帰。このころから天候は悪化し風雪強まり、気温は
マイナス10度。時間を考えると尾根末端の青根温泉まで行くのは厳しそうであり、尾
根を南東に下った峨峨(がが)温泉に向かうこととする。悪雪に体力を奪われつつコ
ンパスとGPSで慎重に下る。下手さに自己嫌悪。ブッシュが濃くなる中、ようやく峨峨温泉の大きな屋根が
見えてくる。最後は板をはずして16:20に到着。
本来は日帰り入浴はさせてくれない時間であったが、よほど情けない顔をしていたの
か温泉に入れることになり感謝。とろりとした湯と暖かい対応で生き返った。タクシー
&新幹線で茅ヶ崎22:00無事帰着。