乗鞍四ツ岳

 最近話題の乗鞍岳北面(岐阜側)の四ツ岳に達人のK下さんとでかけた。本来の計画は飛騨沢経由ワンディ槍ヶ岳であったが、昨年末の槍平雪崩事故もあり計画を変更した。北面斜面の深雪滑降狙いである。
 4日の仕事始め行事を終え、急ぎ帰宅し、20時発。町田でK下さんと合流し中央道を飛ばす。わがブルーマンタ号はようやく山に行く出番である。
 24時ちょっと過ぎに松本ICを出たので深夜割引が効き3050円ですみラッキー(ちなみに帰りは通勤割引+正月特別割引で計2450円と格安)。5日深夜1時過ぎに安房トンネルを出てすぐの平湯キャンプ場に到着。寝酒を飲んでおとなしく就寝。
 6時に起床すると、2パーティが到着しており、先行。こちらも7時20分に出発。

平湯キャンプ場より出発(ようやく雪山デビューのブルーマンタ号)

 雪は結構深いが、トレースがあるのでどんどんと行く。地図での予想に反し、樹林帯の結構な急登から始まる。すぐに金沢の3人パーティを追い越した。まだ経験の浅いメンバーを率いている様子。ひとしきり登って緩斜面となり、やがて大海川に一旦下りスノーブリッジを越えて北面台地に取り付く。ここまで1.5時間かかり思ったより難儀。
 台地に入ってやや傾斜のある斜面を登ると穂高連邦と笠が岳が遠望できる。変わった角度からなので新鮮である。シールを効かせて進むと先行した単独行の年配の方に追いつく。その先は2日前のものであろうかあいまいなトレースがあるが、かなりのラッセルを強いられることとなる。単独行の方を含め、3人で交代しながらラッセルをするが、急勾配に加え膝上のラッセルでしんどい。
穂高連邦と笠が岳をバックに登る
大阪の単独行のおじさんと3人でラッセルを頑張る

 登り始めて3時間、一旦小休止をするが、温度はマイナス14度程と寒い。エネルギー補給を十分にしてテルモスのコーヒーで身体を温める。両手の伸縮式ストックを伸ばそうとするが、硬く凍ってびくともしない。息で暖めたりこすったりしたが、結局どうにもならず、最後まで縮めたままとなってしまった。再出発してすぐに単独行の方に追いつく。そこから先は2人で頑張ってラッセルである。2450mで樹林帯を抜け出し、オープンな疎林の斜面に出る。やや雪崩地形にも見えることから距離を取り監視しあいながら登る。傾斜は増しキックターンを繰り返しジグザグを頻繁に切る。約2600mあたりまで高度を稼ぐが、徐々に天候は悪化し、山頂が雲に隠れる。さすがに疲労も強く、一旦ツェルトにもぐりこみ休止(13:10)。非常に寒くダウンセーターを着込む。
 テールからはがれたシールをテープで補修し、再度山頂を目指して進むが、斜面はクラストし天候はさらに悪化してきたことから、残念ながら山頂は諦め滑降に移る。
 14時滑降開始。オープンな深雪をK下さんがまずはかっとび、私もしばらく待ってから追いかける。深雪であるが、かなり重い雪質でストックの不調と合わせて結構苦労することとなった。転倒すると起き上がるのに体力を使い、さらにすべりが悪くなるという悪循環。自分はこんなに下手だったかと思い知らせれる体たらくである。
]華麗に高速で滑るK下さん
へたくそな私(伸縮ストックが短いまま凍ってしまい難儀中)

 本来楽しいはずの深雪急斜面がなぜか今日は苦行の連続。15:00、一度休憩するも食べ物も取れないほど疲労がたまってしまった。徐々に日が落ちる中、スノーブリッジを再度越え、登り返して最後の急斜面を滑り終えるとようやく駐車場に帰着(16:45)。
結構難儀して越える大海川のスノーブリッジ
渡渉点にはみごとなつらら

 凍えた身体を平湯温泉で暖めた。スキーをもっとうまくなりたいと久々に思った山行であった。

温泉の後は朴葉味噌焼き

(登行高度)1300m (滑降高度)1300m (下降高度)1300m *登り返し30mを含む
(メンバー)K下、寺田
(装備)バンデットB2(170cm)、ディアミール3、ガルモントアドレナリン



GPSデータ